• 矢口洋子

葬られた「第二のマクガバン報告」より抜粋




「命を救う本」を刊行できる喜び (訳者からのメッセージ)

第二次世界大戦前までは非常に稀だったガンが、アメリカだけでなく、今や日本においても国民病となり、三人に一人を死に追いやる原因になってしまっています。この病気の元凶が、こともあろうに、戦後、政府や学校、そして医師や栄養士などが率先して推奨してきた「肉や牛乳の摂取」であることを、キャンベル博士はこの本で証明していました。博士がこの本で読者に伝えようとしているメッセージは「動物性食品はガンの最大の要因であり、この食習慣をやめれば、ガンばかりか、心臓病・脳梗塞・糖尿病・骨粗鬆症・関節リウマチほかの、さまざまな自己免疫疾患・アルツハイマー病・白内障・加齢性黄斑変性(AMD)など、あらゆる病気を予防し、回復させることができる」ということでした。

 実は、キャンベル博士らが米国政府の依頼を受けて1982年に作成した「食習慣と健康に関する研究レポート」(全米科学アカデミー<NAS>の報告書「食物とガン」)は動物性食品の過剰摂取がガンの強力な要因となっていることをすでに明らかにしています。しかし、この研究レポートで明らかにされた結論は、政府の国民に対する食事摂取指針には全く生かされず、そのまま闇の中に葬られてしまったのです。それはなぜか。長期にわたり政府の栄養政策組織の委員を務め、その内部事情に誰よりも精通しているキャンベル博士は、政府と食品・製薬・医学業界の間にあるドロドロした関係のためであることを、本書で赤裸々に記しています。医学・栄養学の分野でベストセラーになっているこの本は、アメリカの医学界や栄養学界を大きく変えようとしています。 

 キャンベル博士の熱い訴えは、日本のみなさんの食習慣、健康、そして病気に関するパラダイムをも、足元から崩してしまうに違いありません。しかし、博士のメッセージを真摯に受け止める人は、生涯メタボリック症候群や生活習慣病とは無縁で、エネルギーに満ちあふれた人生をエンジョイすることができるはずです。

 ぜひ、みなさんご自身の選択と行動によって、これからの人生を輝かしい日々とされることを願ってやみません。みなさんがいままでの考え方やライフスタイルをほんの少し「チェンジ」するだけで、ご自身の未来はもとより、ご家族、ご友人、そして社会も、国も、この地球も、もっと大きく変わっていくことでしょう。

 読者のみなさんにとって、今日のこの日が「すばらしい人生」に向けた船出の日となり「新しいライフスタイル」が始まる日となりますように

                 2009年11月   松田 麻美子

 本文より

 アメリカ国民の悲惨な現状

 莫大な金とあらゆる手段を使っているにもかかわらず、アメリカ国民の健康は悪化する一方である。私たちアメリカ人の一人当たりの医療費は、世界中のどの国よりもはるかに多い。それなのにアメリカ人の三分の二は過体重(BMI25以上)で、15%余りは糖尿病だ。近年、この数字は急激に増加してしまった。三十年前よりもずっと多くの人が心臓病の犠牲になっているし、1970年代に始まったガンとの闘いでは、惨めな失敗を繰り返している。

 健康神話の原点

 「どの食べ物を食べるのが自分の体にとってふさわしいか」などと考えることがなかった。皆が食べているものを同じように安心して食べていた。すなわち私が食べていたものは、「良い食べ物だ」と信じていたのである。私たちは学校で、「牛乳は、強くて健康な骨や歯を作ってくれる。」「牛乳は自然が与えてくれた最も完璧な食品だ」とも教わった。コーネル大学で私が行った博士課程の研究は、牛や馬を早く成長させる方法を発見することにあった。人格が形成される頃、「アメリカ国民は正しい食事をしている。それは高品質のタンパク質を十分に摂っているからだ」という言葉を繰り返し繰り返し聞かされたのである。

 肝臓がんの真相

 研究生活に入ったばかりの頃、私は最も有害な化学物質として知られる「ダイオキシン」と「アフラトキシン」について調べることになった。その後、私はアメリカ政府国際開発機関の資金援助により、フィリピン全土のほぼ110か所に「栄養摂取のための自助教育センター」を設置した。我々の目標は、子供たちが、できるだけ多くのタンパク質をきちんととっているかどうかたしかめる、という単純なものだった。ところが、このプロジェクトで私は大変な秘密を知ってしまったのである。それは、最も高タンパクの食事をしている子供たちが、肝臓ガンになるリスクが最も高い、という事実だった。ガンになっている子供は、裕福な家庭の子供たちだったのである。

 発ガン物質をコントロールするもの

 ガンの発生における栄養摂取、とりわけタンパク質の役割について、徹底的な研究プログラムを始めてみようと決断した。最終的にこの研究は最も綿密に審査が行われ、資金援助源としては最も競争率の高い機関(ほとんどが国立衛生研究所、米国ガン協会、米国ガン研究協会など)から二十七年間にもわたって、十分な資金援助を受け取ることになったのである。

 こうして我々の研究結果は一流とされる多くの科学雑誌に公表されるため、二度目の審査を受けることになったのである。我々の発見は、まさに衝撃的だった。 

 低タンバクの食事は、どれだけアフラトキシンをネズミに投与したかには関係なく、この発ガン物質によるガンの発症を予防したのである。

 ガンの発症が確認されたあとでも、低タンパクの食事はそれに続いて生じるガンの増殖を劇的に阻止した。

 言い換えれば、このきわめて強力な発ガン性化学物質による影響力は、低タンパクの食事によって、取るに足りないほどのものに変えられてしまったのだ。

 要するに、食事に含まれるタンパク質は、ガンに及ぼす影響があまりにも強いため、タンパク質の摂取量を変えるだけで、ガンの増殖を「ON」にしたり「OFF」にしたりすることができたのである。しかも、「絶えずガンの発生・増殖を強力に増進させるものの存在」がわかったのである。

 それは、「カゼイン」だった。これは牛乳のタンパク質の87%を構成しているもので、ガン形成・増殖のどの課程でも作用していたのである。

 また、大量に摂取しても、ガンの形成・増進をさせないタイプのタンパク質も発見した。この安全なタンパク質とは、小麦や大豆など、植物性のものだった。

 我々の研究は企画の点で総合的であり、研究結果の点でも包括的だった。バージニア工科大学やコーネル大学の研究室から中国の果てまで移動し、「私たちは正しい食べ物を食べることによって、致命的な病気になるリスクを抑えることができる」ということを、科学がぶれることなく明らかにしてくれたように思う。

 明日への道を照らすもの

 ・健康にとって精製・加工していない丸ごとの食品は有益であり、一方、動物性食品は有益でない。

 ・植物性食品には健康で、身長が伸びる効果があるうえ、私たちの身の回りに

  蔓延している病気や早い時期での発病を避けられるといった、信じがたいほどの効果がある。植物性食品以外の食事選択では、効果があったとしても、その効果はほんのわずかでしかない。

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